初めてオーセンティックバーに行った時の話 VO1


初めてオーセンティックバーに行った時の話

僕がカクテルに興味を持ったのは、
20代前半のころだった。

「いらっしゃいませ」

重厚なドアを引くと、
薄暗い店内から落ち着きのある低い声で
こちら向きに頭を下げてる男性がいた。

案内され、カウンターに座ると、

先ほどの男性スタッフが、
温かい真っ白なおしぼりを差し出してくれた。
スタッフはその男性一人のようなので、

この方がマスターだ。
手を拭くとほのかにミントの香りがした。

店内を見渡すと、
バックバーには数100本の見たこともない洋酒が規律正しく並んでいる。
これがオーセンティックバーかぁ〜と一人で感心して頷いていた。

ふとマスターに目をやると、
今、気が付いたかのようにさり気無く「いかがいたしましょうか?」と、
やさしく声をかけてくれた。

ハッと我に返り、即座にジンフィズを注文した。

なぜすぐに注文出来たかと言うと、
事前準備のために、
(BAR初心者マニュアル的な本)を熟読してきたからだ。

マスターは、「かしこまりました」と、
一礼をし僕の前から離れた。

その本によると、ジンフィズは、材料がシンプル、作る方法がシェイク、
度数が比較的低く、味が濃くないので1杯目に適しているそうだ。

また、ジンフィズは、辛口、甘口、濃い味、薄味、アルコール度数等の
その店の傾向が分るのだそうだ。


このような本格的なバーでは、1杯で帰るのは失礼で最低2杯は注文するので、
この選択がベストとか。

今回はこの辺で、


次回につづく





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