初めてオーセンティックバーに行った時のお話 VO2


マスターを見ると、

僕のジンフィズを作る準備をしているのだろうか、
シェイカーに氷を詰めている。

詰め終わるとそのシェイカーの中に水を入れ、
またすぐに捨てた。

これは、氷の角をとる為だそうだ。
そうする事により、
シェイクの際に氷が溶けにくくするためだ。

本来シェイクとは、素早く混ぜ冷やす為の行為。

次にマスターは、レモンの皮をナイフで剥き、
半分に輪切りにし、絞りはじめた。

絞り方も独特だった。

僕たちが、居酒屋で生レモンチューハイを注文すると、
絞り器の突起にレモンを押し当てながらグイグイと押し絞るのが当たり前だが、
マスターは、絞り器の突起に押し当てず、握力だけで静かに絞っていた。

その絞り終わったレモンは、きれいに実だけが絞れていて切り口が、
蜂の巣のように一つ一つの袋が破れていなくきれいだった。

後で分かったが、皮の苦みや雑味が混じらないためだった。
その汁をこし、容器に入れた。

カウンターの上に、冷凍庫でキンキンに冷えたタンカレージンが置かれ、
今絞ったレモン汁、冷蔵庫からシュガーシロップ、
冷凍庫からグラス がセットされた。

マスターは氷が入っているシェイカー持ち上げ逆さまにした。

シェイカーからポツポツとしずくが落ちている。


今回はこの辺で、

次回いよいよシェイクです!




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