初めてオーセンティックバーに行った時の話VO4



え、これジンフィズ?

いつも飲んでいるのとは、全く別の飲み物だった。
今までのジンフィズは、甘くて飲みやすくて何杯でもゴクゴク飲めた、
しかし、このジンフィズは、甘くないしアルコール度数が高い。
ジン本来の味や香りがあり、レモン、シュガーシロップ、
炭酸のバランスが絶妙で、水ぽさが無くキリリと引き締まっていた。

一杯目にいただく意味が分かった。

本によると、ロングカクテルは30分以内、
ショートカクテルは15分以内に飲み干すのが礼儀だそうだ。

自分なりに味を分析しつつ初めての本格的カクテルに酔いしれていた。

耳を澄ますと、お客さんの会話の声の後ろから、
静かにジャズのBGMが流れていた。
それがまた、心地よく、大人の時間が流れて行った。

カラン、ジンフィズを飲み干した。
その音で反応したのか、全体の雰囲気でなのかマスターが近くに寄っていた。
小声でも話せる距離で、洗い物をしていた。

次の注文も決めていた。このタイミングだと思いマスターに
「すみません、マティーニ下さい」と注文した。
そるとマスターが、「はい、かしこまりました。
ジンがお好きなんですね」
と、話しかけてくれた。

僕は、正直に「いえ、好きは好きですけど、、、。」
「実はこのような本格的なバーに来ることが夢でしたので、
初心者マニュアル本を見てきました。
それで注文するカクテルがこの順番でした」

そるとマスターが、やさしい目でこっちを見ながら大きく頷いてくれた。

マスターが頷きなだら「そうでしたか、もし苦手でなけらば、
スコッチウイスキーベースのカクテルはいかがでしょうか?
こちらもステアのショートカクテルで度数も同じ位強いものになります」と、
やさしく説明してくれた。

僕自ジンがそこまで好きではなくて、、、
すでにマスターお勧めのスコッチウイスキーベースのカクテルが飲みたくなっていた。


「それでお願いします。」と、

期待と好奇心から笑顔で注文した。


今回はこの辺で、


ご購読ありがとうございました。
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